日本の林業を考える

林業では70年代半ば以降、中核林業振興地域育成特別対策事業(76年)や林業集落基盤総合整備事業(77年)をはじめとして、80年からの新林業構造改善事業にいたるまで、もろもろの施業が実施されました。


そして、先進林業地域から"潜在力"のある後進林業地域へと、漸次生産基盤の「拡充・強化」が図られてきました。


しかし、こうした施策にもかかわらず、今日どのような林業の「生産環境」がもたらされているのか・・・


当面する最も緊要な問題は、第一に「来たるべき国産材時代」をひかえて、戦後植林した人工林がつぎつぎに間伐期に入っているにもかかわらず、その大部分が手入れできずに放置され、やがて"線香山林"と化する状態にひんしていることです。


第二に三全総がいう「森林管理の担い手」さえ「確保」されるどころか大きく減少し、かつ老齢化し、山村地域が"人閲不在の環境"に急速に近づきつつあることでしょう。


最後に、「自然環境」の開発・整備の面については、さきにみた「生産環境」関連の諸施策のほか、治山事業をはじめ各種保安林の整備や松くい虫対策など諸施策が実施されてきました。


しかし、三全総の「国土の管理」最優先の建前とは裏腹に、「赤字財政」の進行と環境政策の後退、"臨調・行革"の推進の中で、政府の一般会計歳出予算に占める林業関係予算の割合は79年度以降漸減しています。


そして林業関係予算に占める「治山事業等の拡充」費の割合は、75年度の48・2%から82年度の43.5%まで傾向的に低下しています。

これからの林業 2

高伐期林業の場合、造林当初は低伐期林業と同様、地ごしらえから下刈あるいは除伐、つる切と膨大な労力、経費を要することになります。


一応成林するとそうした労力、経費は全く不要となり、太陽エネルギーを100%利用できるようになります。


しかもこれから真の材積成長とそれを上回る価値成長が始まり確実な利益をもたらすのです。


ところが低伐期施業の繰返しはただただ労力、経費を最大限かけて自然の恵みである太陽エネルギーの活用を最小限にとどめているのです。


これでは現下の林業不振にあって、わざわざ林業の衰退を早めているとしかいいようがありません。


さらに公益性も軽視され、あるいはそれに逆行しているのだから論外というほかありません。


太陽エネルギーは植物の光合成によってのみ地球上に固定され、有機物の形で蓄積されます。


蓄積される有機物の90%は森林として存在し、さらに森林は太陽エネルギーの利用率が高く、光合成有効エネルギーの1%程度を有機物に変換しているといいます。


したがって低伐期林業では皆伐する毎に、10年(つまり伐期を辛年とするとその20%)以上にわたって太陽エネルギーをほぼ無駄にしているともいえるでしょう。


これからの林業

社会的要請である森林の環境資源としての効用をいかに維持し、強化するかということも急速に重要性を増してきています。


前者は直接的効用であり、後者は間接的効用と表現するにしても、ともに森林資源からもたらされるものであることに変わりはありません。


しかし前者は伐採することに始まり、後者は通常伐っては効果を減少させるものであるから、両立はできないと思われるかもしれません。


ところが、恒続林思想によって森林生態系が健全に維持され、高伐期の択伐あるいは小面積ずつの皆伐方式が採られれば木材生産も増大し、環境条件も向上して、両者が見事に両立できるのです。


故中村賢太郎博士は、森林の効用は


「新植地ではマイナスであって、成林後でもわずかしか効用はないが、高齢になると天然林に劣るものではないから、伐期齢を高くして立木材積即ち蓄積を多くすることが林業経営の理想である」


・・・と述べ、さらに四高林業と称して「高伐期、高蓄積、高品質、高生産」が林業の理想であるともいっています。


これからの林業は土壌の生産と改良により地力の維持増進を図り、公益性を重視しながらできるだけ自然の力を活用して生産費を節減し、伐期齢を高くすることによって生産性を高め、価値の高い優良林をつくっていくことが林業の生き残り・・・


さらには発展への条件であると考えます。

高伐期林業の長所と短所 2

今日は短所について。


1.資本回収期間が極めて長期であるため資金に余裕がなければできません。


ましてや現在の核家族化社会にあっては事業の継続は極めて難しいことです。


2.現行税制(特に相続税)下では実現不可能といえます。


ただし1.、2.とも国有林なら克服可能です。


3.どこでもできるものではなく、地位級が中以上の適地、特にスギでは適地の選定が絶対的必要条件です。


また一定年数経過後の成長率はある程度低下する傾向はあるでしょう。


そして、これからの林業はどうしたらよいのかについて考えていきたいと思います。


森林は再生産のできる資源ですが、十分な生育には最低でも50年、大材を得るには数百年という長期間を要するものだけに、人口の増大と文化の向上、経済の発展につれてますます不足することは避けられないでしょう。


森林が本格的に伐採され利用されようになったのはこの1世紀の間です。


しかも熱帯降雨林や日本の山林もその大半は第二次大戦後の伐採であり、わずか50年足らずのうちに、世界的に資源の枯渇が懸念される状態になったものと思われます。


したがって天然の大木は当然不足してくることになり、後継の造林地も多いとはいいながら、待ち切れずに若齢期で伐採されるはめとなるのです。


高伐期林業の長所と短所

高伐期林業の長所と短所について、まずは長所から。


1.太陽エネルギーを光合成によって休むことなく有効に活用しています。


2.単位面積当たりの蓄積が大きくなります。


3.単位材積当たりの単価が高くなります。


4.上の1.と2.により、年伐採面積が大幅に少なくて済みます。


5.造林面積が少ないため造林費が格別少なくて済みます。


・・・したがって経常収支に計上される造林費のウエイトは極端に低下します。


6.漠大な林業労働力、特に最も嫌われる造林労働力が大方不要になり、無理なく労働合理化が達成されます。


7.幼中齢期の被害(寒害、雪害、病虫害、獣害、山火事等)が大幅に減少し、造林の成功率が大幅に向上します。


8.保育のミスやその他の危険負担率が大幅に減少します。


9.土壌の肥沃化を促進し地力の維持増進に有効です。


10.低伐期施業の繰返しに比べて土壌の流出、せき悪化を防止する効果が大きい。


11.治山治水その他一般的森林の効用に優れています。


12.実質投資は低伐期林業と変わりなく幼壮齢期の短期間だけで、全期間の大部分は放置しておいていいこと。


13.100年前後の最終間伐時に相当な間伐収入が期待されます。


14.造材、製材歩留りが大幅に向上します。


15.非常時の備蓄としても期待されます。


16.今後世界的に長大材の天然林は減少傾向をたどりますます希少価値を誇ることとなるでしょう。


17.恒続林の高伐期林業が完成すれば農業と同様毎年安定した収入が続き、所得税問題は自然解消する可能性もあります。


18.今の林業は企業とも認められないような状態ですが、おそらく他産業にも見い出し得ないほどの安定した優良企業としての素質を持つこと。


・・・など、数え上げればきりがないほどです。

ゴッホを生み出したオランダ その16

例えばレンブラントが生まれたライデンには生家跡が、アムステルダムには彼が住んだレンブラント・ハウスが保存されている。
流浪の生活を送ったゴッホは、アムステルダムやハーグ、ヌエネンなど各地にその足跡を残している。

その他、ボッスのスヘルトーヘンボス、フェルメールのデルフトなど画家が暮らした町々は、今も当時と変わらぬたたずまいを伝えている。
こうした画家ゆかりの地を訪ね、彼らが生きた町の空気に触れると一層オランダ絵画が身近に思えてくるにちがいない。

「第三の状態」

「人間の第三の状態」とまで言われるREM睡眠・・・。


これは、どのような意味をもち、何のために在存するのか、それこそ私達が一番知りたがっていることがらです。


この重要な秘密をさぐろうとして、多くの学者が「断REM実験」と呼ばれる研究を開始しました。


つまり、脳波をにらんで、今まさにREM期に入るサインが脳波上にあらわれんとするとすぐにベルを鳴らすか、またはからだを揺すぶって、フランスベッドによる睡眠を中断するのです。


また、より正確に、かつ充分にREM期を取り除くために動物実験も行なわれました。


それは主としてネコを使うのですが、ネコを踏み車にかけてグルグルと踏ませるか、または貯水タンクの中の岩の上にネコを坐らせます。


そうするとネコは普通の睡眠はとれるか、REMに陥ろうとすると筋肉が脱力して車を踏みはずしたり、また水中に落ち込みそうになるから、ハッと気がつきます。


そうすると、睡眠時間をいろいろに変えてみても、REM期の全時間数はほぼ一定に保たれるのです。


したがって、睡眠時間が短くなるほどREM時間の比率が大きくなるということは、REM睡眠の方が普通の睡眠より優先的で、取り去り難いことを示しています。


人間でもネコでもREMを断つ実験をつづけていると、そのあとの眠り(これを回復睡眠という)では次第にREMの出現が頻繁になり、ちょうどREMを取り去った期間と次第に一致して、普通のREM周期を取り戻すのです。

ゴッホを生み出したオランダ その15

こんな歴史をもつ国だから、全国に数百もの美術館や博物館が点在する。
17世紀黄金時代の作品を見るならアムステルダム国立美術館やロッテルダムのボイマンス=ファン・べ一ニンヘン美術館へ。

ゴッホのコレクションならオッテルローのクレラー=ミュラー美術館やアムステルダムのゴッホ美術館、またモンドリアンのコレクションならハーグ市立美術館で見ることができる。

またオランダの町々では、その土地で暮らした画家たちの生活をしのぶこともできる。

ゴッホを生み出したオランダ その14

日本の考えやスタイルとは少し異なり、小金をためた庶民たちが先を争って絵を買う、というような背景もあって、17世紀のオランダ絵画は飛躍的に発展した。

レンブラントやフェルメール、ハルス、ロイスダールなど数多くの才能を輩出し、のちにこの時代は「オランダ絵画の黄金時代コと呼ばれるまでになる。
その後しばらく低迷期が続いたものの、19世紀になると近代絵画の巨匠ゴッホを、そして20世紀には独自の抽象絵画を確立したモンドリアンを生み出すにいたる。

ゴッホを生み出したオランダ その13

オランダの画家たちの作風は、少なからずこの風景の中で育まれていったのだ。
オランダ絵画が著しい発展をとげたのは、17世紀のこと。
折しもオランダは世界貿易の中心地となって、栄光の時代を迎えていた。

長崎の出島にオランタ船が行き来していたのもちょうどこの頃。
経済力をつけたこの国は、あらゆる分野で輝かしい業績を収めた。
芸術もその例外ではない。
当時オランダでは、絵画が一部の上流階級の人々の楽しみから、庶民たちのものへと移行しつつあった。

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