日本の林業を考える 2
77年以降、山地災害による林地荒廃の被害は年々急増しています。
82年には7月の集中豪雨やその後の台風によって被害が激増しました。
こうした事態は右にみたような最も基本的な「公共事業」費の削減傾向と無関係ではありえません。
こうした中で注目すべきことは、治水や水源のかん養・開発、生活環境の保全など「国土の安全」にかかわる森林の「公益的機能」に関して、下流部・都市の自治体や住民等に「費用分担」させようとする政府の政策志向が、一貫して強まっていることです。
・・・この方向は、本来国が担うべき基本的な費用を都市住民に転嫁するおそれの強いものであって、国民各層による十分な具体的検討と監視が必要とされるでしょう。
もし林業・山村「関係者」にして、こうした本末転倒の政策方向を無批判かつ安易に評価するようでは、それは都市と山村との本来あるべき結合や協同の関係を生みだす所以ではなく・・・
山村における生産と生活を正しく守り発展させていく所以でもないでしょう。
古くからの有名林業地である吉野の川上村が、都市用水の水源開発を主目的とする大滝ダムの建設によって全村3分の1の世帯が水没することは、今日の山村住民がおかれている真実厳しい現実とおかれるべき現実の一つを現に示しているのです。